インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
歯を失った場合、私たちにはこれまでに2つの選択肢がありました。1つ目が皆さんもよくご存知の「入れ歯」で、2つ目が「ブリッジ」という方法。そして、これらとは別に新たに最近注目を集めているのが「インプラント」です。
入れ歯やブリッジはほかの歯にバネをかけたり、失った歯の両側の歯を削ることで土台を作って人工歯を取り付けます。一方、インプラントは入れ歯やブリッジとは治療の仕組みが異なっていて、人工歯根を顎の骨の中に埋め込むことで本物の歯に近しい状態を作り出します。そのため、失った歯の治療としてこの中で最も望ましい、とされているのがインプラントなのです。
メリット・デメリットを比較
それでは、入れ歯・ブリッジ・インプラントでそれぞれどのような違いやメリット、デメリットがあるのかを見ていきましょう。見た目や噛む力、治療に必要な期間、耐用年数など、治療の方法によって異なる点はいくつもあり、特に大きいのがインプラントだとほかの歯に負担がかかりにくいということです。入れ歯は歯周病になりやすい、ブリッジには隣の歯を削らなければならない、などのデメリットがあるのですが、インプラントは1本で独立して治療ができるため、健康な歯を傷つけることがありません。
- 見た目
- 噛む力
- 噛み心地や味覚
- 顎の骨
- 治療期間
- 耐用年数
- 費用
- 入れ歯
- 歯にバネをかけるため口を開いたときに金具が見えてしまう
- 自然の歯に劣る
(安定性が低くズレやガタつきが起きやすい) - 味覚を感じづらくなることがある
- 痩せやすい
- 1~2週間
- 5年
- 3,000円(保険適用)
7~15万円(自費) - ブリッジ
- 違和感なし
(レジン素材だと変色可能性あり) - 自然の歯の60%程度
(ブリッジを支える隣の歯の状態によってはさらに低くなる可能性あり) - 自然の歯と変わらない
- 痩せやすい
- 1~2週間
- 8年
- 3,000円(保険適用)
15~30万円 (自費) - インプラント
- 違和感なし
- 自然の歯の90%程度
- 自然の歯と変わらない
- 痩せにくい
- 3~6ヶ月
- 10~30年
- 30~40万円
まとめ
入れ歯やブリッジは歯を失った場合の治療方法として一般的ですが、噛む力や味覚の面でデメリットが目立ちます。インプラントはそれらのデメリットを取り除き、自然の歯と変わらない見た目や噛み心地を実現できるものの、治療期間の長さや保険適用外による費用の高さがネック。ただし、ここで記載しているのはあくまで一般的な内容です。
インプラントの治療期間は数ヶ月以上かかることが多いですが、歯科医院によっては即日で治療を完了できるところも存在します。費用を抑えたい方には入れ歯やブリッジの方がおすすめですが、耐用年数から見た長期的なコストパフォーマンスを考えるとインプラントが勝るケースもあります。また、「インプラントの費用相場はどれくらい?医療費控除の対象になるって本当?」で紹介しているような医療費控除を利用することで費用を抑えることも可能です。